ワトフォード_From Japan バーンリー戦レビュー

終わりを迎えたラニエリ政権

 第7節の時点で2勝1分4敗でシスコムニョス監督の解任に踏み切ったワトフォード。後任として選ばれたのはラニエリだった。ミラクルレスターの立役者でもある同氏は、2年契約でプレミアリーグ残留、具体的には「勝ち点40」を目標に新チームをスタートさせた。

 しかし結果は13試合2勝1分10敗という結果に、わずか3ヶ月で解任となってしまった。

 外部からは、シスコムニョス監督の解任を疑問視する声や、ラニエリの抜擢に否定的な声もあったが、私はこの短い期間でもレスターを躍進に導いたラニエリ監督の手腕が感じ取れた。

 デニスやジョシュアキングの才能開花はまさにラニエリの実績だ。成功こそ果たせなかったものの、これらは今後のワトフォードの大きな財産となるだろう。ラニエリのハードワークに感謝します。

 

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 ロイホジソンと半年間の短期契約で合意

 既に多くの方がご存知だとは思うが、ワトフォードラニエリ監督の後任としてロイホジソン氏を招聘した。ポッゾファミリーとは2001年のウディネーゼ時代からの仲で、ワトフォードオーナーのジーノポッゾの父親にあたるジャンパオロポッゾと少々の確執があったそうだが、ロイホジソンの口から「問題ない」との発言があった。

 74歳での監督就任は自身の70歳という記録(クリスタルパレス時代)を自身で塗り替える形となった。またプレミアリーグでの70歳を超えてからの監督就任はホジソン含め歴代4人しかおらず、その中にはラニエリ前監督も含まれている。

 

 珍しくかなり詳しくワトフォードについて取り上げた記事が公開されていたので、リンクを貼っておきます。ここで紹介したいくつかの情報もここから引用したものです。

www.soccer-king.jp

 

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バーンリー戦レビュー

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チーム状況の最新ニュース

 3人の選手はアフリカネーションズカップ(以下AFCON)から復帰した。ウィリアム・トロースト・エコンは先週、ナイジェリアが敗退した後、トレーニング施設に戻ってきた。モロッコ代表の2人、アダム・マジーナとイムラン・ルーザは2月4日チームに復帰した

 イスマイラサールは先週AFCONでセネガル代表と合流し、2月7日のエジプトとの決勝に挑んだ。(結果は0-0でPK戦の末セネガルが優勝した。)

 

※前回の投稿で、イスマラサールは怪我が完治すれば代表に合流する事なく、直ちにチームに復帰するといった旨の情報を誤って紹介してしまいました。ごめんなさい。

 

 最後に、エマヌエル・デニスは、ノリッジ戦で退場したため、バーンリー戦は出場停止となった。

 

↓完全版を確認したい場合は下記のクラブ公式サイトで(英語)

www.watfordfc.com

 

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 3度目の正直で開催されたアウェイバーンリー戦は、強風と大雨に見舞われた。それでもホジソン監督はテクニカルエリアぎりぎりラインに立ち戦況を見守り続けた。

 ホジソン監督に期待するのは前政権で露呈した守備の問題を改善することだ。特に低い位置でボールを奪われてしまったときにチーム全体が間延びしていることから、簡単にバイタルエリアに侵入を許してしまったり、連携の面でイージーなミスが連発することなど。

 

守備が特に酷かった試合。ハイライトでも顕著

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 連携のミスはGKがバッハマンの時に多い。おそらくコーチングなどの経験値は圧倒的にベンフォスターの方が上で、ミスが少ない。もちろん守備のパフォーマンスは時のコンディションにも左右されるし、GKのコーチングを試合中にリスニングする事もできないのであくまでも推測でしかないが、ベンフォスターが出場している時の方が守備面のミスが少ない。よければそのような点に注意してみていただけると嬉しい。

 

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 早くも馴染んできた感じもあるカマラ、エドカイェンベ、サミールらに加え、欠場中のサールやデニスの穴を埋めるためにケンセマとクツカが抜擢された。特にクツカは本来センターハーフを主戦場とする選手だが、時にはサイドバックを務める事もある選手。今回はサイドハーフで起用されたが、このユーティリティ性はチームにとってありがたい。今回の試合ではロングボールに対するセカンドボールの回収や、積極的にロングシュートを放つ姿勢も見られた。

 またケンセマはチーム内の序列は低く、出場機会も限られているが、前回出場したニューカッスル戦でも今回の試合でも印象的な活躍を見せてくれた。動きがシャープでボールが奪われた時には即座に奪い返そうという姿勢を見せたり、ジョアンペドロやデニスほど軽快なドリブラーではないものの、しなやかに相手をいなしながらダブルタッチなどを用いて1枚剥がすのが得意な選手だ。もう少しプレー時間を増やして欲しい選手の1人。

組織的な守備

 ホジソンの代名詞はなんといっても堅い4-4-2。おそらくプレミアリーグのファンならばあらゆる場面でそれを実感してきただろう。是非ワトフォードにもそれを落とし込んでもらいたいところだが、早くも効果は現れ始めている。

 CBのキャスカートが雨により足を滑らせハイボールの処理を誤った場面では即座に4バックのうちの残りの3人が絞りカバーリングした。

 ペナルティエリアまで押し込まれた場面では、しっかりと中盤がプレスバックし、左右の揺さぶりにも対応できていた。

 ただ先ほど挙げたような、低い位置でボールを奪われた時の対応。前ほどまでとはいかないが、プレスバックが遅れずるずると下がるしかなかったような場面もまだ見受けられた。

 中盤のシソコはキックの精度で少し物足りない部分があるものの、攻撃参加のタイミングやポジショニングは効果的な場合が多い。あとはもう少し攻守のバランスを考え、最近出場しているエドカイェンべとの連携を深めていって欲しい。

 それらも含めて考えると、まだこれらの良し悪しを判断するには早すぎると感じた。そこは是非次節のウェストハム戦で堅守を見せてもらいたい。早くもホジソン体制の真価が問われる試合になりそうだ。

 

おわりに

 最後まで読んでいただきありがとうございます。もっといろんな方にワトフォードを知っていただけるように、より情報を得やすくなるよう今後も活動していきたいと思います。

 

ニューカッスル対ワトフォード レビュー

 リーグ6連敗中のワトフォードはなんとしても勝利で連敗を止めるために、アウェイの地に乗り込んだ。

 試合前の下馬評はややニューカッスルの方が有利だった。

スタメン

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 ベンフォスターは11月以来初の先発復帰。

 新加入のサミール、ハイセンカマラ、エドカイェンべはまさかの全員先発。

 フォーメーションは4-3-3で、画像とは違い実際にはエドカイェンベがアンカーだった。

新加入の選手評価

 

サミール

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 一時期はCBが2人しかいなかったなんて時期もあったワトフォード、ついにCBの補強が叶った。ブラジル人CBのサミールは、ワトフォードオーナーのジーノポッゾ、同時にポッゾ家が所有するウディネーゼからの加入。

 ちなみにワトフォードには、ウディネーゼを古巣とするCBが3人存在する。

 そんなサミールだったが、こちらも新加入のニューカッスルCFクリスウッドと対面することとなった。

 少しプレミアリーグを見ている人ならばお馴染みの空中戦の強さは、ニューカッスルに来てももちろん健在だった。

 イタリアからきて早速このマッチアップはあまりにも残酷か。しかしながら彼を起用した指揮官の期待を見事に超えウッドに仕事をさせなかった。

 

エドカイェンベ

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 この文章を書くにあたってエドカイェンベの公式ツイッターを確認しようとしたところ、フォロワーが55人しかいいなかった...

 アンカーとして出場したエドカイェンベだが、プレーの内容はこちらも期待を超えるものだった。残念ながら現地サポーターのリアクションでは、同時期に加入を発表したコウチーニョと重ね合わせて、この「無名選手」の加入を批判する声もあった。

 しかし、彼はいとも簡単にプレミアリーグの強度に適応し、後ろから緩急をつけるようなパスを見事に配球した。

 これまで「カウンターに繋がらない」「パスを配給できる選手がいない」ことが問題になっていたが、それらが一気に解決するような気がした。またプレーが見たい。

 

ハイセンカマラ

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 ニースから加入したハイセンカマラは、168センチと小柄な左サイドバック

 しかし、その小柄な上背を感じさせない鋭いインターセプトや、逆にその小柄な身体を活かしスルスルと相手を抜き去るドリブル。

 ただ守備の連係の部分で前半、相手に何度かチャンスを作らせてしまっていた部分に関しては改善が必要か。

 

その他の選手 総評

 

ベンフォスター

 やはり守備が安定する。キックの質も、セービングも、連携もバッハマンよりも1つ上のランクにいると感じる。この大事な時期に間に合ってくれたのは、良かったの一言。

 

ムサシソコ

 トッテナム戦の守備への貢献は大きく、この試合でも高いレベルのパフォーマンスを期待したが、それは叶わなかったように見える。

 キックの部分で大きなピンチを招いてしまったり、ビックチャンスを棒に振ってしまったり。もう1つ上のレベルのプレーを期待したいが、残念ながらこれが今のワトフォードのレベルである。

 

ジョシュアキング

 高いキープ力と他の選手との阿吽の呼吸で、多くのチャンスを作り出した。最後のフィニッシュの精度を上げれれば完璧。

 

VSサンマクシマン

 サンマクシマンをどう攻略するか、が大きな課題だった。結局サンマクシマンに1っ点を取られてしまったわけだが。

 先発ののエンガキアは前半、完璧な対応を見せた。サンマクシマンのドリブルに対して、高い身体能力で自由にさせない、1度振り切られても追いつく。体を入れる。

 

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ラニエリ「前半のエンガキアはパーフェクトだった。その後、失点を意味するミス。彼は若く、そして改善する必要がある。もちろんですが、私は彼が経験から学ぶことを知っています。そして今日は、彼が強くなるのを助けます。」

 

90分間高いレベルの守備でストレスを与え続けた

 

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 スタメン発表前は「身体能力が高いエンガキア」と「落ち着いて対応できるベテラン、キコフェメニア」どちらを起用するか気になっていたが、答えは「どちらも」だった。90分フルスプリントするのは難しいフェメニアでも、後半の30分間ならば、サンマクシマンに対して優位性を保つことができる。

 

ジョアンペドロのバックグラウンド

 87分に劇的なゴールを決めた若武者、ジョアンペドロ。

 

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 試合を重ねるごとに存在感を増しているジョアンペドロ。しかし、

 今シーズン初めに彼の継父が亡くなられた。それ以来、彼は強さと回復力を示し、すぐにこのワトフォードのキープレーヤーになりつつあります。プレーヤーとしても精神的にも、少年は真っ先に進んでいます。(現地 コメンテーター)

 

 チームも続かなければ

 

総括

 まあ、なんとか引き分けに持ち込めたことでまだまだ残留の可能性は残されたが、中盤が間延びしてしまったり、簡単にバイタルに侵入させてしまっている、といった問題を改善するのは難しそうに感じた。

 次節はバーンリー戦(延期濃厚)。負けられない戦いが続く。最後まで勝利を目指して戦ってほしい。 Twitterのフォローもお願いします。 @pozzo_kainin

 

 

 

ワトフォード最新情報まとめ

 

 週末に迫った大一番、アウェイニューカッスル戦。勝ち点3を得るべくタインに乗り込みます。

 さて、今回はワトフォードに関するいくつかの情報をまとめましたので紹介したいと思います。

 

 AFCONについて

 2年に1度行われる「アフリカネーションズカップ」(以下AFCON)は、一部のチームにとってハンディーキャップになりうるものとなってしまいました。

 ワトフォードも大きな影響を受けたチームの1つでした。ここで1部選手の国籍をまとめてみましたので、参考にしてください。

 と、このように非常に選手数が多いことがわかります。

 この中で選出された選手は以下の4名でした。

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 引用 クラブ公式ツイッター

  

 選出されなかった選手について

  • サール(セネガル)→膝の怪我、治療のため一時スペインに渡航
  • エテボ(ナイジェリア)→腿部の怪我
  • デニス(ナイジェリア)→協会との交渉の結果クラブに残れることに

 ニューカッスル戦を含む今後の試合すべてにデニスが出場できるのは、ワトフォードにとってかなり大きいことです!

 

 怪我情報

 先ほど怪我についての話も出たということで、ここではチーム全体の怪我人についてまとめました。

  • ニコラエンクル→ハムストリングの怪我
  • キコフェメニア→ハムストリングの怪我
  • カバセレ→ふくらはぎの怪我(10月からプレーできていない)

 軽症で数試合欠場ベンフォスターはすでに練習に完全復帰しているとのこと。

 冬のウィンドウ

 今シーズンもこの季節がやってまいりました。アストンヴィラのディーニュ、コウチーニョといった大型補強。ニューカッスルのトリッピアーやクリスウッドといったインパクトのある補強。トピックスは多いですが、人知れず素早い動きを見せたのがワトフォードでした。

 ここではこの冬に移籍してきた3人の選手を紹介します。

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ハイセンカマラ

26歳 フランス

左利き 左サイドバック

身長168センチの小柄な攻撃的サイドバック

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エドカイェンベ

23歳 コンゴ

セントラルミットフィルダー

年代別代表経験のある若手選手

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サミール

27歳 ブラジル

左利き センターバック

念願のセンターバック補強。おなじみのウディネーゼからの移籍。左センターバックを得意とする選手。

 

 ここまで戦い

 リーグ6連敗(公式戦7連敗)中のワトフォード。この6試合の中にはレスター、チェルシーマンチェスターシティといった強豪との試合が続いたということもあって、勝ち点から大きく遠ざかっている。

 また直近の試合では2試合連続で逆転負けを許したり、96分に失点したりなど、ラニエリ監督の去就も怪しくなっている。

 それらの大きな要因は「守備」だ。1か月ほど前はシティやチェルシーから点を奪ったり、エバートンマンチェスターユナイテッドに大量得点で勝利したりなど攻撃面でポジティブな要素が多かったが、最近では守備の時間が長くなったりと内容が悪化している。

 間延びしていることでバイタルを大きく開け、簡単に失点を許すことも多い。それにはラニエリも「集中し、集中する必要がある」とコメント。はたしてどうなるか。

 

 なおラニエリは2024年までの2年契約を結んでおり、後任にはランパードやビックサムの名前も挙がっている。

 

 ニューカッスル戦の予想布陣

 ここからは現地のサイトが予想したニューカッスル戦のメンバーを紹介する。

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 どれも5バックを基調としている。やはり誰もが守備の安定を望んでいるのか。

 新加入のハイセンカマラはチームの台所事情もあって、早速の起用は固いだろう。あと、個人的にはトゥファンとクレバリーのプレーがもっと見たい。2枚目のフォーメーションだと、少し中盤の攻撃をジョアンペドロに任せすぎなかんじがするかな。

 そんなジョアンペドロは最近好調で、以前に増してドリブルが脅威になっている。

 色々楽しみですね。追加情報があればTwitterの方で紹介しますのでフォローお願いします。(@pozzo_kainin)